外国人患者の受入れ体制をどうするか?

2018年の訪日外国人は3000万人を突破し、
統計開始以来の最高の記録を更新しました。

そして、2019年ラグビーW杯、
2020年東京オリンピック・パラリンピックの
開催を控え、外国人患者がさらに増加することも
予想され、対応に悩む施設も多いのではないかと
推測されます。

そんな中、厚生労働省は、外国人患者の受入れ
実態調査の結果を公表しました。

本調査は都道府県を通じて、全国の全ての病院と
沖縄県・京都府の診療所を対象としたもので、
外国人患者の受入実績については、3,980施設の
回答を集計したものになります。

以下に、その結果の概要を示します。


ー結果の概要ー
「医療機関における外国人患者の受入に係る
実態調査の結果(概要版):厚労省」より抜粋。

1)外国人患者の受入れ実績
約50%の施設が外国人患者の受入実績ありと回答。
そのうち、約55%が1ヶ月間で10人以下であった病院が
1番多かったのものの、1000人以上の実績がある病院も
7施設あった。

2)多言語化の整備状況
当調査については、医療圏を単位として
“面的”にネットワークとして構築すべき
との考えから2次医療圏ごとにみてみると、
約70%の2次医療圏で、医療通訳・電話通訳・
自動翻訳デバイス等が整備されていることが分かった。

3)訪日外国人旅行者に対する診療価格
ほぼ全ての病院において、診療報酬点数表を活用した
倍数計算(1点=10円または税込で10.8円か11円)。
27%の病院で1点あたり20円以上で請求。

4)医療通訳の費用、請求はわずか1%
診療費以外の追加的費用として、通訳料を請求して
いる病院の割合は約1%。
受入実績が多い病院(178施設)に限ると、
通訳料を請求している割合は約10%であった。

5)未収金の発生状況
約20%の病院で、外国人患者の未収金を経験。
その病院あたりの未収金の発生件数は平均8.5件、
総額は平均42.3万円であった。
中には総額100万円を超す病院もみられた。



言語や医療費の支払いの問題など、
多くの医療機関が外国人患者の受入れに
負担を感じていますが、

国としては、都道府県を通じて
「外国人患者の受入拠点となる医療機関」を選定し
外国人観光客などが安心・安全に日本の
医療機関を受診できる体制整備を進めています。

受付や会計での医療通訳対応、
医療コーディネーターによる
患者家族やスタッフ等への支援など、
中小病院においても国際化への対応が
必須となる日も近いかもしれません。


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◆筆者プロフィール
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森田仁計(もりた よしかず)
医療総研株式会社
認定医業経営コンサルタント
1982年、埼玉県生まれ。
法政大学工学部卒業後、株式会社三菱化学
ビーシーエル(現LSI メディエンス)に入社。
現場営業から開発・企画業務まで携わる。
2015年、医療総研株式会社に入社し、
認定登録医業経営コンサルタントとして、
医療機関の経営改善や組織変革、
人事制度構築などの運営改善業務に従事。