医業経営にとって不可欠な要素のひとつとして、「医療を取り巻く環境の変化を正しく把握し、それらを的確に経営戦略へと結びつける」ことが挙げられます。
“ボランチ”は、厚生労働省等の行政機関からの正確な情報を基に編成されており、この先の医業経営の道標としてご活用いただいております。
2026年度診療報酬改定に向けて、中央社会保険医療協議会(以下、中医協)では議論が行われております。
2025年6月25日に開催された中医協総会では、人口動態・医療需要の動向、医療提供施設および医療従事者の状況、医療提供体制に関する取り組みなどの観点から、現状の課題について総論的に整理されました。
本稿では、その内容の一部をご紹介します。
我が国の人口については、全国的に生産年齢人口を中心に減少し、85歳以上を中心とした高齢者数は、2040年頃のピークまで増加すると見込まれています。
ただし地域ごとにみると、高齢者人口については、大都市部を中心に増加するものの、過疎地域を中心に減少することが見込まれており
、地域差があることがわかります(図表1)。
この地域差が問題解決の複雑性を増している要因といえます。
一方、生産年齢人口はほぼ全ての地域で減少することが見込まれています。
そのような人口動態の中、2040 年の医療需要については、仮に受療率が将来にわたって現在と変わらないと仮定した場合、入院医療については次の2点について注目されています。
1つ目は、2020年と比較して85歳以上の高齢者の救急搬送は75%増加すると見込まれています。
2つ目は、多くの医療資源を要する手術については、全ての診療領域で、2020年から2040年にかけて、半数以上の構想区域において手術件数が減少することが見込まれています(図表2)。
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