コラム
COLUMN

新年度を迎え、あらためてベースアップ評価料を再確認

2025年も4月となり、早くも新年度を迎えました。
新年度になると新たな従業員が入職してくる医療機関も少なくはないでしょう。
2024年度の診療報酬改定では、医療従事者の賃金改善のための診療報酬として「ベースアップ評価料」が新設されました。2024年度に続き2025年度も当該評価料を活用して、賃金の引き上げを計画している場合には厚生局へ届出が必要とされています。
そこで本コラムでは、新年度に向けたベースアップ評価料に算定に関して、解説していきます。

〈ベースアップ評価料とは?〉
2024年の診療報酬改定で新設された「ベースアップ評価料」は、医療従事者の賃金引き上げを目的とした診療報酬です。新設された背景には、食材料費や光熱費などの物価高騰への対応に加え、コロナ禍を経て日本全体で賃上げの機運が高まる中、医療従事者の賃金水準の低さが課題として浮き彫りになったことがあります。特に他業界との賃金格差は、医療機関での人材確保を困難にしていることが考えられます。そこで医療機関は、このベースアップ評価料を活用して賃金改善を図り、人材確保につなげることが期待されています。

〈対象となる医療従事者〉
ベースアップ評価料の対象となるのは、医療機関で働く一定の職種の医療従事者です。ただし、医師・歯科医師や、医療事務スタッフ(医師事務作業補助者や看護補助者が医療を専門とする職員の補助として行う事務作業を除く)は対象外となっています。
具体的には、
・看護師
・准看護師
・薬剤師
・診療放射線技師
・臨床検査技師
・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・介護福祉士 など
これらの職種が対象となります。これにより、直接的な医療行為や患者ケアに関わる職種の賃金が改善し、医療機関の職員定着率の向上にも寄与することが期待されています。

〈ベースアップ評価料の種類と取得要件〉
ベースアップ評価料には、主に3つあります。
①外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)
②外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)(無床診療所のみ)
③入院ベースアップ評価料(入院・有床診療所のみ)
これらの評価料を算定するためには、2024年度および2025年度に対象職員の賃金を改善する必要があり、評価料の収益は賃金の引き上げや賞与、時間外手当、法定福利費などに充当しなければなりません。
また、給与改善の具体的な内容については、各医療機関での経営状況や賃金体系に応じて異なりますが、原則、基本給又は月次支払いの手当として反映させることが求められます。

〈ベースアップ評価料の算定の流れ
※具体例として病院の場合
①対象職員の給与総額を計算
202X年X月から202X年X月に実際に支払った給与総額をもとに算出
②外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の算定見込みを計算
202X年X月から202X年X月における初診料や再診料の算定回数をもとに見込みを算出
③入院ベースアップ評価料の算定見込みを計算
202X年X月から202X年X月の延べ入院患者数をもとに、算定区分(1~165種類)を決定
④医療従事者の賃上げ見込みの計算
厚生労働省の「ベースアップ評価料計算支援ツール(医科)」を使用

〈届出と報告書の提出〉
ベースアップ評価料を取得するためには、施設基準の届出に加え、以下の2点を地方厚生(支)局へ提出する必要があります。
(2025年度も引き続き提出が必要となります)
・賃金改善計画書(6月提出)
ベースアップ評価料を届出した医療機関は前年の実績をもとに、2024年度に2023年度比で2.5%以上、2025年度に4.5%以上を目安に引上げとつながるように賃金改善計画書の作成が求められています。また、新年度を迎えるにあたって計画書は4月に作成し、6月末までに厚生局に提出するようになっています。
・賃金改善実績報告書(8月提出)
これらの書類では、ベースアップ評価料による賃金引き上げの状況だけでなく、自主財源を含めた全体的な賃金改善の状況も報告しなければなりません。
さらに、提出時には、給与支給状況を示す証拠書類(給与明細や賃金台帳など)の添付が求められる場合もあるため、事前の準備が重要です。

〈定期的な届出の必要性〉
入院ベースアップ評価料(および外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ))については、毎年3月・6月・9月・12月に新たに算定し、区分変更がある場合は月内に地方厚生(支)局へ届出を行う必要があります。ただし、前回届出時点と比較して1割以内の変動であれば、届出は不要となります。

〈まとめ〉
近年、医療業界では人材不足が課題となっています。こうした状況の中で、医療従事者の待遇改善は喫緊の課題であり、安定した人材確保のためには従業員の賃金の引き上げも不可欠です。ベースアップ評価料は、医療機関が職員の賃金を一定以上引き上げた場合に算定できる診療報酬であり、医療従事者の待遇向上と働きやすい環境の整備に向けた施策です。従業員の給与の改善がモチベーション維持へとつながり、結果として患者への対応や医療サービスの向上など医療の質の向上にも寄与することが期待できます。
今後の診療報酬改定の動向や、ベースアップ評価料の適用範囲・要件の変化を把握することも重要です。厚生労働省のガイドラインや計算支援ツールを活用し、制度を適切に運用することで、スムーズな算定を目指すとともに、医療従事者が安心して働ける環境を整備していくことが求められます。
2025年1月 医療総研株式会社 代表 伊 藤 哲 雄
タイトル
2025年1月 医療総研株式会社 代表 伊 藤 哲 雄
収益改善
私たち医療総研(株)は、医療機関が求められる「医療の質の維持・向上」と「経営の効率化」という2つの命題を同時に実現するために、医療機関の皆様をご支援いたします。
2025年1月 医療総研株式会社 代表 伊 藤 哲 雄

情報誌ボランチの最新号を発行しました

情報誌ボランチ2025年3-4月号Vol.158を発行しました。
冊子の内容は、当社ホームページでもご覧いただけます。
どうぞご覧ください。

ホームページリニューアルにあたっての代表挨拶

医療総研株式会社代表の伊藤です。ホームページリニューアルに際して、一言、ご挨拶申し上げます。
数年ぶりに弊社ホームページを刷新し新しい装いとなりました。その間、世の中の変化は目まぐるしいものがありました。コロナ禍、地震・豪雨などの自然災害、世界的な戦禍、それに伴うエネルギー問題、円安の進行による物価高など、私たちの生活にも多くの変化がみられ現在も継続しています。その流れは医療界にも大きな影響を及ぼしていますが、医業経営的にみるとポストコロナへの対応、少子高齢化に伴う診療の変化、従業員採用への影響、建築費の高騰による建て替えへの高障壁など、医療機関にとっては大変厳しい状況が続いております。そういった状況のもとではありますが、私たち医療総研は今までにも増して、医療機関の皆様がよりよい経営を継続できるように、引き続きご支援をしてまいります。
弊社コンサルティング領域は従来から継続の、経営改善コンサルティングの根幹である収益改善、人事制度構築、組織運営支援に加え、地域医療の継続をご支援すべく、事業承継、M&Aについても事業領域に加え、新たなスタートを切りました。内容については、新装なった当社ホームページをご覧いただければと思います。
2025年の干支は巳、弊社には年男が3人と非常に巳年生まれが多い会社です。蛇は「再生や変革を表す生き物」だそうです。その年にホームページのリニューアルを行ったのも何かの縁かもしれません。社内の年始の顔合せで、私の方から社員に向けて『蛇は脱皮して成長していくので、「今年はみんなで公私とも一皮むけた人間になるようにしよう」』、とあいさつをいたしました。年末にはみんな成長した姿を見せたいものです。
弊社は渋谷駅より徒歩5分の青山通りに面したところにあり、すぐそばに青山学院大学があり、新春恒例の箱根駅伝での活躍は皆様のご記憶にもまだ鮮明に残っているものと存じます。企業経営も、山あり谷ありですが、山登りを制する者が箱根を制すると同様に、厳しい状況の中、着実に前を向き向上していく所存でございます.
わが医療総研株式会社は、2年後の2027年に創立30周年を迎えます。ここまで会社として存続できましたのも、ひとえに皆様のご支援の賜物であり感謝の念に堪えません。今後とも従来にも増してお引き立てよろしくお願い申し上げます。
2025年1月 医療総研株式会社 代表 伊 藤 哲 雄
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弊社代表の伊藤によるセミナー開催のお知らせ

鈴与医療経営セミナーにて弊社代表の伊藤が、中規模病院向けに「アフターコロナにおける中規模病院の収益改善について~機能見直しによる改善事例を踏まえて~」をテーマに講演いたします。
日時は2025年3月7日(金) 14:00からとなっております。ご興味のある方は、ぜひお申し込みください。
なお、詳細とお申し込みは下記よりお願いいたします。

・詳細はこちら

・お申込みはこちら
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ホームページリニューアルのお知らせ

日頃より医療総研株式会社ホームページをご覧いただきありがとうございます。
この度、2025年1月31日より、ホームページをリニューアルしましたのでお知らせいたします。
弊社のサービスをより分かりやすくお伝えできるホームページとなるよう、デザインや内容を改善いたしました。
ご不明な点・ご要望がございましたらお気軽に「お問合せ」よりご連絡ください。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
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セミナー「2024年度診療報酬改定が医業経営に及ぼす影響と対策 」ご案内

セミナー「2024年度診療報酬改定が医業経営に及ぼす影響と対策 」ご案内

2024年は、診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬の改定に加え、6年に一度見直しされる医療計画の改定年にもあたり、医療・保健・介護・福祉の事業に携わる私たちにとってとても重要な年といえます。また、地域医療構想のゴールである2025年の前年にもあたり医療制度の大きな見直しが想定されます。先週、1月26日に点数はまだ未記入ですが、2024年診療報酬個別改定項目が741ページのボリュームで発表されました。改定のたびにページ数が増えて読み込むのもひと苦労です。本コラムでは詳細を述べるスペースがありませんが、来る3月4日に弊社代表の伊藤が、医療・介護・ヘルスケア戦略特別セミナー(主催:株式会社 新社会システム総合研究所)を実施いたします(添付のパンフレットをご参照ください)。
本講座では、診療報酬改定を中心に、過去からの医療制度改革の流れを確認しながら、令和6年度の改定の意味、内容を概説いたします。また、日本において人口減少・少子高齢化が進展する中、今後の医業経営を健全に維持・発展させるために医療機関が何をなすべきかについても、中小企業診断士で医業経営コンサルタントのプロである講師が対応策を解説いたします。
 セミナーの時点では点数も発表され、より具体的な診療報酬改定の内容を披露できると思います。ご期待ください。

セミナー講義のながれ
1. 医療提供体制の変遷…地域医療構想、地域包括ケアシステム etc.
2. 診療報酬改定の変遷
3. 入院医療…機能の明確化 etc.
4. 外来医療…紹介受診重点医療機関 etc.
5. 令和6年度診療報酬改定概説
6. これからの医療制度の課題
7. 医療機関に求められる今後の対応

令和6年度診療報酬・薬価等改定について

令和6年度診療報酬・薬価等改定について

令和6年度診療報酬・薬価等改定は、医療費の伸び、物価・賃金の動向、医療機関等の収支や経営状況、保険料などの国民負担、
保険財政や国の財政に係る状況を踏まえ、以下のとおりとなりました。

1.診療報酬 +0.88%(国費800 億円程度(令和6年度予算額。以下同じ))
 各科改定率 医科 +0.52%
歯科 +0.57%
調剤 +0.16%

うち 看護職員等ベア対応 +0.61%
食費基準額の引き上げ +0.06%
効率化・適正化 -0.25%
その他 +0.46%

2.薬価等 -1.00%(国費▲1,200 億円程度)
 ①薬価     -0.97%(国費▲1,200 億円程度)
 ②材料価格  -0.02%(国費▲20 億円程度)

全体改定率  -0.12%

2023年8月病院報告 患者数について、コロナ禍前(2019年7月末)との比較で入院7.8%減、外来5.1%減—厚生労働省 病院報告

2023年8月病院報告 患者数について、コロナ禍前(2019年7月末)との比較で入院7.8%減、外来5.1%減—厚生労働省 病院報告

11月17日の厚生労働省の公表した2023年8月分病院報告では、
・2023年8月末の患者数、コロナ禍前の2019年7月末比で入院7.8%減、外来5.1%減
・病院の平均在院日数、「短縮」と「延伸」を繰り返す混乱がいまだ継続
・一般病床の利用率、コロナ感染症の影響で2023年8月末は72.7%と依然として低い水準

であることがわかりました。

本年(2023年)7月末における1日平均患者数は、病院全体で、入院:114万1213人、外来:124万897人となりました。
前年同期2022年7月末と比べると、入院では3.0%の増加、外来では4.6%の減少となりました。外来の減少は今夏の新型コロナウイルス感染症第9波の影響が考えられます。
また、 2021年8月末と比べると、入院では0.6%の減少、外来では0.9%の減少。 2020年8月末と比べると、入院では1.4%の減少、外来では7.5%の増加となりました。
さらに、コロナ感染症の影響がない2019年8月末と比較してみると、入院では7.8%減、外来では5.1%減となっています。

入院・外来ともにコロナ禍前の患者数には、いまだ戻っていないことが確認できます。入院についてはコロナ重症患者等をすぐさま受け入れられるような空床(即応病床)の確保、コロナ重症患者に対応するための、一部病棟・病床閉鎖などが続いていることが、患者数が依然として戻らないことの要因であると考えられます。このため入院に関して、当面、患者減の傾向が継続すると考えられます。

〇医療法上の病床種別ごとの「入院患者数」と「過去の同月からの変化」
・一般病床:64万2419人(前年同月比9.1%増、2021年8月比4.0%増、2020年8月比2.3%増、2019年7月比6.0%減)
・療養病床:23万2374人(前年同月比0.4%減、2021年8月比4.9%減、2020年8月比6.5%減、2019年8月比14.1%減、ただし療養病床→介護医療院への移行なども加味して考えなければならない)
・精神病床:26万3628人(前年同月比0.6%減、2021年8月比2.9%減、2020年8月比4.9%減、2019年8月比6.9%減、ただし地域移行推進による減少なども加味して考えなければならない)
・結核病床:1194人(前年同月比8.9%増、2021年8月比0.8%減、2020年8月比16.1%減、2019年8月比21.4%減)
また、平均在院日数は、病院全体では25.6日となり、前月から0.4日の短縮となりました。
病床種別に見ると、
・一般病床:15.3日(前月から0.2日短縮)
・療養病床:119.5日(同7.1日短縮)
・精神病床:259.7日(同4.8日短縮)
・結核病床:29.5日(同8.0日短縮)
・感染症病床9.9日(同増減なし)

コロナ感染症の影響により、ある月に短縮すれば、翌月に延伸し、さらにその翌月には再び短縮するなどの状況が繰り返されており、依然として医療現場の混乱が続いていることがわかります。

さらに、月末病床利用率を見ると、病院全体では76.8%で、前年同期2022年8月末と比べて2.7ポイント上昇、コロナ感染症が本格化していた2021年8月末と比べて1.1ポイント上昇、2020年8月末と比べて0.9ポイント上昇でしたが、逆にコロナ禍前の2019年8月末と比較すると1.2ポイント低下となりました。

とくに急性期・高度急性期病床では、コロナ感染患者受け入れのために空床を確保しておくこと、コロナ感染症対応のために、一部病棟・病室を閉鎖し医療資源を集約化することなどが必要なことも手伝って病床利用率が下がっていると考えられます。これらの数字からもコロナ感染症流行前の状況には依然として戻っていないことがわかります。

〇病床種別の利用率
・一般病床:72.7%(前年同月比5.9ポイント上昇、2021年8月比4.2ポイント上昇、2020年8月比2.8ポイント上昇、2019年8月比0.4ポイント上昇)
・療養病床:84.4%(前年同月比1.3ポイント上昇、2021年8月比0.3ポイント低下、2020年7月比0.1ポイント低下、2019年7月比2.6ポイント低下)
・精神病床:82.1%(前年同月比0.4ポイント低下、2021年8月比1.3ポイント低下、2020年8月比2.9ポイント低下、2019年8月比3.9ポイント低下)
・結核病床:31.5%(前年同月比3.5ポイント上昇、2021年8月比1.4ポイント上昇、2020年8月比3.3ポイント低下、2019年8月比3.3ポイント低下)
・感染症病床:89.2%(前年同月比871.8ポイント低下、2021年8月比736.7ポイント低下、2020年8月比29.6ポイント低下)

このように、一般病床とりわけ急性期病床を中心に、コロナ感染症の重症患者が発生した場合に、すぐさま受け入れられるように空床にしておくことも求められているため、長期間で低い水準で推移していることがわかりました。

訪問看護におけるオンライン資格確認の導入について、議論がなされました-中医協総会

訪問看護におけるオンライン資格確認の導入について、議論がなされました-中医協総会

10月11日に開催された中央社会保険医療協議会・総会で訪問看護におけるオンライン資格確認の導入について議論・検討されました。

訪問看護レセプトのオンライン請求・オンライン資格確認

• 訪問看護ステーションにおいて、令和6年6月よりレセプトのオンライン請求とオンライン資格確認を開始する。
• また、令和6年秋の保険証廃止を見据えつつ、オンライン請求・オンライン資格確認を義務化する。その際、現行の保険証廃止は、国民の不安払拭のための措置が完了することが大前提であり、医療現場に混乱が生じないよう、安心してマイナ保険証を利用できる環境を実現する。

1. オンライン請求・オンライン資格確認の開始

・訪問看護ステーションのオンライン請求を開始(省令改正・令和6年6月施行予定。適用は翌月請求分から)
・訪問看護ステーションのオンライン資格確認を開始 ※令和6年6月開始予定
・訪問看護ステーションに対するオンライン資格確認導入に係る財政支援
※ オンライン請求の開始に向けて準備が必要な機器等の一部は、オンライン資格確認と兼用することが可能
 
2. オンライン請求・オンライン資格確認の義務化・経過措置

・ 訪問看護ステーションにオンライン請求を義務化(省令改正・令和6年秋(保険証廃止時期)施行予定)  
※ 経過措置:通信障害、システム整備中、ネットワーク環境、改築工事、廃止・休止、その他特に困難な事情
・訪問看護ステーションにオンライン資格確認を義務化(省令改正・令和6年秋(保険証廃止時期)施行予定) 
※ 経過措置:システム整備中、ネットワーク環境、改築工事、廃止・休止、その他特に困難な事情

論点として以下のことがあげられました。

○令和6年秋の保険証廃止を見据えつつ、訪問看護基準(省令)を改正し、訪問看護におけるオンライン資格確認 の導入を義務化することとしてはどうか。その際、令和6年秋時点でやむを得ない事情がある場合は、期限付きの 経過措置を設けることとしてはどうか。
○ 居宅同意取得型に実装される再照会について、当該医療機関等との継続的な関係のもと訪問診療等が行われている場合における2回目以降の訪問においては、療養担当規則等に法令上の資格確認方法として位置づけることとしてはどうか。
○ 療養の給付等に関する請求方法等についての法令改正を踏まえた療養担当規則等の改正を行ってはどうか。

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001155187.pdf

令和6年度診療報酬改定について「高齢者の救急搬送等」「かかりつけ医機能」をどのように対応し、どのように報酬で評価すべきか検討される—中医協

令和6年度診療報酬改定について「高齢者の救急搬送」や「かかりつけ医機能」をどのように対応し、どのように報酬で評価すべきか検討される—中医協

令和6年度の診療報酬改定に向けて、9月27日に開催されました中央社会保険医療協議会の総会、および診療報酬基本問題小委員会「入院医療等の調査・評価分科会」の中間まとめ報告が行われました。入院医療・外来医療のそれぞれについて、今後の個別具体的な論議に資する技術的検討事項が改めて整理されました。
 また、同日の中医協総会では「2022年度医療費の動向」を踏まえ、医療機関の経営状況をどのように見るべきか、という議論も行われています。

「高齢者の救急搬送、急性期入院医療」にどのように対応すべきかが最重要論点

中医協の下部組織「入院医療等の調査・評価分科会」で中間まとめが行われました。
例えば急性期入院医療では「高齢の救急搬送患者、急性期患者をどの病棟で受けるべきか、関連して看護必要度の評価内容をどう見直すべきか」「平均在院日数の基準を短縮すべきか」、回復期リハビリ病棟では「リハビリ・栄養・口腔管理の一体的実施をどう進めるか」、外来では「がん化学療法の外来移行をどう進めるか」などが重要検討項目として浮上しています。

9月27日の基本小委・総会には、この中間まとめが報告されました。
中医協委員からは、今後の議論に資するよう、例えば次のような「分析の深掘り」「技術的・専門的な見地からの更なる検討」を行ってほしいとの要請がの声が挙がったようです。

【外来医療について】
特定疾患療養管理料では、在宅時総合医学管理利用などと異なり「時間外加算1取得医療機関での算定多い」との傾向は見られないが、それは特定疾患療養管理料の算定要件に「時間外加算1取得」が含まれていないためで、当然のことではないか。「時間外加算1を取得していない医療機関」がかかりつけ医機能を果たしていないわけではない。特定疾患療養管理料算定病院が地域で果たしている「かかりつけ医機能」について、より多面的な分析をすべきである。

かかりつけ医機能発揮の観点から、「どのような疾患を特定疾患療養管理料の対象に含めるべきか」を検討すべきである(例えば慢性腎炎や間接リウマチ、認知症なども対象に含めるべき)

コロナ禍で慢性疾患患者の受診控えが生じ、「治療間隔の延伸」「治療中断」なども起こっている。医学管理の質を確保する観点から、「長期処方の増加度合」やそれに伴う「医療機関の負担増」なども分析すべき。

高血圧症などの慢性期疾患の管理について、生活習慣病管理料や地域包括診療料等の算定は極めて少ない。既存の「かかりつけ医機能を評価する」とされている診療報酬項目を体系的に整理しなおし、慢性疾患の管理をどの診療報酬項目で評価するかを考えていくべき。

特定疾患療養管理料でも「計画書作成・交付」などを要件化し、より効率的・効果的な疾患管理を行えるようにすべき。

オンライン診療の適切な実施に係る指針では「初診での睡眠薬処方は禁止」されているが、不眠症が上位疾患に浮上しており「不適切なオンライン診療の可能性」が示唆されている。さらなる分析を進め「健全な形でのオンライン診療の普及」を目指すべき。


【入院に係る横断的事項】
「病院に歯科があるケース」と「外部から歯科クリニックが関与するケース」との違いなどについて分析を進めるべき。


【急性期入院医療について】
総合入院体制加算から急性期充実体制加算への移行の背景には「点数差」(急性期充実>総合入院)があるのではないか。総合入院体制加算の役割を踏まえた「点数引き上げ」を検討すべき。

看護必要度A項目について2022年度に「点滴ライ同時3本以上管理」が「薬剤3種類以上管理」に見直されたが、該当割合が急増している。どういった薬剤が使用されているのかなどを詳しく見るべき。

高齢者の救急搬送・急性期入院医療をどういった病棟で主に対応するかも考慮した制度設計を考えていく必要がある。

「高齢者の救急搬送・急性期入院医療にどう対応していくか」が今後ますます重要な課題となる。その際「地域包括ケア病棟で受ければよいではないか」といった乱暴な議論をするのではなく、「2次救急病院では、まず急性期病棟で初療し、必要に応じて地域包括ケア病棟へ転棟する」「2次救急対応ができない病院の地域包括ケア病棟では、まずトリアージをきちんと行える急性期病院で初療し、必要に応じて下り搬送で受け入れる」といった丁寧な視点で検討していかなければならない。


【DPC改革について】
効率性係数・指数については「本来の趣旨に沿わないケース」があることを踏まえて「計算方法の見直し」などを検討すべきだが、複雑性係数・指数については「計算方法の見直し」ではなく、データ数の少ない病院などはDPCからの退出を促すルールを検討すべき。


【回復期入院医療について】
高齢者の救急搬送・急性期入院医療について、「下り搬送を行い地域包括ケア病棟で受ける」ことが現実的であろう。ただし、「地域包括ケア病棟に直接入棟する患者」と「急性期病棟を経て地域包括ケア病棟に入棟する患者」都では、医療資源投入量等が大きく異なり、両者を同様に扱うことには疑問がある。そうした点を専門的視点で整理してほしい。

回復期リハビリ病棟における「FIM測定の適正化、第3者評価」に関連して、「入棟中のFIMの定期的な評価」を導入する方向で検討を進めてほしい。


【慢性期入院医療について】
療養病棟における医療区分の精緻化・細分化の方向には賛同できる。介護施設等との役割分担も踏まえ、どういった患者をどういった医療機関で受け入れることが適切かの検討を進めてほしい。




こうした意見を踏まえて、入院・外来医療分科会で改めて「深掘りの分析・議論」を行うと同時に、中医協総会で今後本格化する個別具体的な論議も進められていくでしょう。