タスクシフティングを成功させるポイント
政府が企業の働き方改革を押し進めるなか、
病院においても医師や看護師などの勤務環境
が問題視されています。
病院の勤務環境の改善は病院経営にとって
大きな課題の1つになっています。
そんな中、AIやロボットなどの活用が
期待されていますが、まだまだ実用化には
至っていないのが現状のように思われます。
そこで今後さらに検討する必要があるのが
「タスクシフティング」です。
現在でも、診断書の作成、カルテ記載、
診療情報提供書の作成など、医師の事務作業を
医師事務作業補助者に移譲している病院は多いです。
また診療報酬上でも、そういった点を
評価する方向が強まっています。
■経営面でも重要
タスクシフティングは病院経営の面でも
とても重要です。
たとえば、医師の業務の中で
医師事務作業補助者へタスクシフトできる
ものが1日あたり2時間あったとします。
単純計算になりますが、
医師の時給を5000円、医師事務作業補助者の
時給を1500円とした場合、1日あたり7000円
のコストダウンが可能になります。
さらに、その空いた時間で医師には
入院や手術などの業務に従事してもらった方が
生産性は断然あがります。
しかしながら、
なかなかそのタスクシフティングが
進んでいないのが病院の実情です。
■タスクシフティングを進めるためには
タスクシフティングは業務を移管する側と
移管される側に必ず分かれます。
うまく調整しないと利害が衝突しかねません。
それを避けるためには、
現場との合意を得ることが大切になります。
そのために、まずは人材不足の状況や
危機的な経営状態といった現状の課題を
具体的に示す必要があります。
その上で、現場を巻き込みながら
タスクシフトを進めていきます。
まずは、現状の業務内容を洗い出し、
どんな業務が移管可能か検討します。
その際に同時に行うべきことは、
業務の効率化です。
移管される側も決して人員に余裕が
あるわけではありませんので、
省力化できる業務の検討やICTの活用
といったことを同時に検討していく
ことが大切です。
病院の業務は、法規制や専門性の点などから
タスクシフティングは進みづらいのが実情です。
しかし勤務環境の改善や人材不足への
対応が迫られる中、持続的に病院経営を
行っていくためには避けては通れない
道ともいえます。
業務の洗い出し・仕分けや職種間の
調整などには手間も時間もかかります。
今から少しづつでも準備しておくことが
必要といえるでしょう。
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◆筆者プロフィール
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森田仁計(もりた よしかず)
医療総研株式会社
認定医業経営コンサルタント
1982年、埼玉県生まれ。
法政大学工学部卒業後、株式会社三菱化学
ビーシーエル(現LSI メディエンス)に入社。
現場営業から開発・企画業務まで携わる。
2015年、医療総研株式会社に入社し、
認定登録医業経営コンサルタントとして、
医療機関の経営改善や組織変革、
人事制度構築などの運営改善業務に従事。
病院においても医師や看護師などの勤務環境
が問題視されています。
病院の勤務環境の改善は病院経営にとって
大きな課題の1つになっています。
そんな中、AIやロボットなどの活用が
期待されていますが、まだまだ実用化には
至っていないのが現状のように思われます。
そこで今後さらに検討する必要があるのが
「タスクシフティング」です。
現在でも、診断書の作成、カルテ記載、
診療情報提供書の作成など、医師の事務作業を
医師事務作業補助者に移譲している病院は多いです。
また診療報酬上でも、そういった点を
評価する方向が強まっています。
■経営面でも重要
タスクシフティングは病院経営の面でも
とても重要です。
たとえば、医師の業務の中で
医師事務作業補助者へタスクシフトできる
ものが1日あたり2時間あったとします。
単純計算になりますが、
医師の時給を5000円、医師事務作業補助者の
時給を1500円とした場合、1日あたり7000円
のコストダウンが可能になります。
さらに、その空いた時間で医師には
入院や手術などの業務に従事してもらった方が
生産性は断然あがります。
しかしながら、
なかなかそのタスクシフティングが
進んでいないのが病院の実情です。
■タスクシフティングを進めるためには
タスクシフティングは業務を移管する側と
移管される側に必ず分かれます。
うまく調整しないと利害が衝突しかねません。
それを避けるためには、
現場との合意を得ることが大切になります。
そのために、まずは人材不足の状況や
危機的な経営状態といった現状の課題を
具体的に示す必要があります。
その上で、現場を巻き込みながら
タスクシフトを進めていきます。
まずは、現状の業務内容を洗い出し、
どんな業務が移管可能か検討します。
その際に同時に行うべきことは、
業務の効率化です。
移管される側も決して人員に余裕が
あるわけではありませんので、
省力化できる業務の検討やICTの活用
といったことを同時に検討していく
ことが大切です。
病院の業務は、法規制や専門性の点などから
タスクシフティングは進みづらいのが実情です。
しかし勤務環境の改善や人材不足への
対応が迫られる中、持続的に病院経営を
行っていくためには避けては通れない
道ともいえます。
業務の洗い出し・仕分けや職種間の
調整などには手間も時間もかかります。
今から少しづつでも準備しておくことが
必要といえるでしょう。
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◆筆者プロフィール
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森田仁計(もりた よしかず)
医療総研株式会社
認定医業経営コンサルタント
1982年、埼玉県生まれ。
法政大学工学部卒業後、株式会社三菱化学
ビーシーエル(現LSI メディエンス)に入社。
現場営業から開発・企画業務まで携わる。
2015年、医療総研株式会社に入社し、
認定登録医業経営コンサルタントとして、
医療機関の経営改善や組織変革、
人事制度構築などの運営改善業務に従事。