2020.06.15

医療機関が活用できる新型コロナ対応の助成金・補助金・融資制度をまとめてみました!

前回のコラム『新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況緊急調査より』でもご紹介しましたが、新型コロナ感染症患者を受け入れた病院も、そうでない病院も、経営状況は厳しくなっているといえます。

またクリニックにおいても同様で、受診抑制などにより外来患者が減少し収益が減少している施設が多くあります。

厚生労働省はこうした危機的状況への対応として、5月分の診療報酬等の概算前払を可能にするなどの措置をとっていますが、先行きの見えない状況であることから、多くの医療機関で不安定な経営を余儀なくされています。今回は医療機関が活用できる主な助成金や補助金、融資制度などについて紹介していきます。


■雇用調整助成金の特例
雇用調整助成金は、経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図るための休業手当に要した費用を助成する制度です。

この度新型コロナウイルスの影響を受けた事業者に対し特例が設けられました。またコロナ対策の2次補正予算の成立により、期間も6月末から9月末まで、助成額上限は職員1人1日につき8,330円が15,000円へなどとさらに拡充が予定されています。


■持続化給付金
こちらは感染症拡大により、営業自粛等により特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧としていただくため、事業全般に広く使える給付金となっています。

2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月(以下「対象月」という。)が存在する事業者が対象となります。給付額は法人が200万円、個人事業者が100万円を超えない範囲で、前年売上からの減少分が上限となっています。


■小学校休業等対応助成金
こちらは新型コロナに関する対応として、臨時休業等をした小学校等に通う子を持つ保護者を対象とするものになります。給付対象は該当する保護者を雇用する事業主であり、支給額は、有給休暇を取得した対象労働者に支払った賃金相当額で、上限は1日8,330円となっています。また雇用調整助成金と同様に、2次補正予算の成立により、令和2年4月1日以降に取得した休暇については 上限15,000 円までに拡充される見通しです。


■新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金
第二次補正予算では、新型コロナウイルス感染症の事態長期化・次なる流行の波に対応するため、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を抜本的に拡充されました。

具体的には、次の事業が新規で追加されました。

・重点医療機関(新型コロナウイルス感染症患者専用の病院や病棟を設定する医療機関)の病床の確保
・重点医療機関等における超音波画像診断装置、血液浄化装置、 気管支ファイバー等の設備整備
・患者と接する医療従事者等への慰労金の支給
・新型コロナウイルス感染症疑い患者受入れのための救急・周産期・小児医療機関の院内感染防止対策
・医療機関・薬局等における感染拡大防止等のための支援

医療従事者等への慰労金の支給については、都道府県から役割を設定された医療機関等に勤務して患者と接する医療従事者や職員で、かつ実際に診療する医療機関等であれば「20万円」、その診療を行っていない場合は「10万円」、その他の医療機関等には「5万円」と設定されています。


■無担保・無利子の融資制度拡充
融資制度については、政府が債務保証することで融資を受けやすくする「セーフティネット保証」でも特例措置のほか、医療機関向けの融資では、独立行政法人福祉医療機構が行う「医療貸付事業」が拡充されています。
先週(6/12)の2次補正予算の成立により、無利子・無担保での融資枠を拡大するとともに、貸付限度額の引き上げも行われることが予定されています。また審査体制の拡充が行われることにより、より円滑な融資の実施につながることが想定されます。

緊急事態宣言が解除されたとはいえ、国民の受診抑制傾向は依然として継続することが想定されます。2次補正予算に盛り込まれた内容の活用方法などについても、早々に公開されるのではないかと思われます。
先行きが見えない不安定な状況だからこそ、あらゆる方面にアンテナを張りながら情報を素早く収集し、この危機を乗り切るためにも長期的な視点で上手に活用していくことが大切といえそうです。


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◆筆者プロフィール
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森田仁計(もりた よしかず)

医療総研株式会社
認定医業経営コンサルタント
1982年、埼玉県生まれ。
法政大学工学部卒業後、株式会社三菱化学
ビーシーエル(現LSI メディエンス)に入社。
現場営業から開発・企画業務まで携わる。
2015年、医療総研株式会社に入社し、
認定登録医業経営コンサルタントとして、
医療機関の経営改善や組織変革、
人事制度構築などの運営改善業務に従事。