2019.05.11

病医院の経営にビジョンは必要か?

先月、2018年度(4月-3月)の医療機関の
倒産データが帝国データバンク社より公表が
ありました。

倒産件数は、39件。
(病院4件、診療所19件、歯科16件)

2000年度以降の19年間でみると、
5番目に多い倒産件数となりました。

また39件のうち、破産が32件と
医業経営の厳しさが年々増していることが
うかがえます。

そして今後もこの傾向は続いていくと
想定されます。

経営者の高齢化・後継者不足や
将来的な人口動態に伴う患者減少などと
いった要因のみならず、
働き手不足による経営難が大きな課題と
いえます。

帝国データバンク社の調査によると
2018年上半期に人手不足による収益悪化などを
要因に倒産した事業所(医療以外も含む)を
調べたところ、前年同期を21件上回る70件に
達することがわかりました。

かなりハイペースで「人手不足倒産」が
進んでおり、病院やクリニックでも
注視しなければいけない事柄といえます。

当社の顧問先でも、改革を進める中で
いかに職員に定着してもらうか、
逆に「この病院で働き続けたい!」と
職員に感じてもらえるか、とても大切な
テーマとして考えています。

その中で、重要な要素となってくるものが
病院やクリニックが掲げる「ビジョン」です。

魅力的なビジョンには、
組織を前進、成長させる力があります。

ビジョンが発信され、浸透している組織は
職員全体が目指すべきビジョンに向かって、
ブレずに向かうことができるようになります。

明確な将来イメージをもつことで
現状に対する不安が減り、安心して
今やるべき行動にフォーカスできますので、
結果としてよい成果が引き出されます。

そして、そのような組織には
人(職員)を惹きつける力があります。

日曜の夜放送されていた
『下町ロケット』(TBS)をご存知でしょうか?

個人的な意見になりますが
主人公が社長をつとめる佃製作所が
まさしくそれだと思います。

職員全員が同じ方向を向いて
必死になって困難に立ち向かっていく姿は
毎回感動させられます。

そしてあのような職場で働きたい!と
自然に思えてきます。

その根本にあるものが、
経営者のビジョンであり、
組織のビジョンです。

今後、医療介護業界だけでなく、
様々な業界でこの「人手不足」に
対応していく必要があります。

組織づくりは重要とわかりつつも、
成果が出るのに時間もかかりますし
手を出しづらいといった面もあります。

しかし、本質的な組織づくりこそが、
遠そうに見えて、実は「人手不足」を解消する
1番の解決策なのかもしれません。


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◆筆者プロフィール
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森田仁計(もりた よしかず)
医療総研株式会社
認定医業経営コンサルタント
1982年、埼玉県生まれ。
法政大学工学部卒業後、株式会社三菱化学
ビーシーエル(現LSI メディエンス)に入社。
現場営業から開発・企画業務まで携わる。
2015年、医療総研株式会社に入社し、
認定登録医業経営コンサルタントとして、
医療機関の経営改善や組織変革、
人事制度構築などの運営改善業務に従事。