2019.10.06

再編統合の再検証424の公立病院等を公表!

厚生労働省は9月26日の有識者会議で、
全国の自治体などが運営する公立・公的病院のうち、
「再編や統合の議論が必要」と判断した424施設の
病院名が公表されました。


テレビなどのメディアにも取り上げられ
医療業界だけでなく、地域住民にとっても
大きな話題となっています。


今回はその概要について
を改めて整理したいと思います。


■424病院名が公表された背景

いわゆる団塊の世代がすべて後期高齢者になり
医療・介護ニーズが急速に加速する2025年に向けて
より効果的・効率的に医療・介護サービスを提供
する体制の構築を目指した「地域医療構想の実現」
に向けた取組みが各地域が進められています。


その中で、各地域医療構想調整会議では、
まずは、地域にある公立病院・公的病院等の
機能改革等に関する合意を得ることになっています。


この合意に関して、2019年3月末時点では、
・公立病院は95%
・公的病院等は98%
と、ほぼすべての公立病院・公的病院等で
「機能改革」に関する合意ができたように
見えます。


しかし、その合意結果をみると
・高度急性期・急性期病床の削減は数%
・トータルの病床数は横ばい
と、合意内容が地域医療構想の実現に沿った
ものになっていないという見方ができます。


そこで厚労省は、
急性期医療に関する診療実績データを詳細に分析し
今回の424施設の病院名を公表することになりました。


■424病院の抽出基準は?

では、いったいどのような基準をもって
厚労省は424病院を抽出したのでしょうか。


具体的には、次の2つになります。


A.診療実績が特に少ない病院
がん、心疾患、脳卒中、救急、小児、周産期、
災害、へき地、研修・派遣機能の9領域すべてで
地域における診療実績が下位3分の1の病院


B.類似の機能を持つ病院が近接する病院
自動車で20分以内の距離に、がん、心疾患、
脳卒中、救急、小児、周産期の6領域すべてで、
「診療実績が類似する病院」がある病院


該当した病院については、
今後地域の医療提供事情を考慮したうえで
機能分化や病床削減を含めた再編統合を
検証することが求められていきます。


■2020年9月までに再検証、結論を

再検証を要請された病院については、
2020年9月までに再検証を行い、結論を
得ることが求められます。


一方、再検証で再編統合を伴わない場合には
2020年3月までに結論を得るというスケジュールで
機能分化等に関する議論が進めれられます。


今回は公立病院・公的病院等が対象ですが
地域における病院の機能分化等を考える際には
民間病院の機能も考慮していく必要が当然ながら
あります。


また今回は急性期機能のデータのみですが
地域包括ケアシステムを考慮するためには
回復期や慢性期などのデータについても調査する
必要が出てくると考えられます。


いすれにしても、
今回の424の公立病院・公的病院等の再編統合
だけで完結する内容ではなく、今後さらに
拡大しての議論が必要といえるでしょう。



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◆筆者プロフィール
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森田仁計(もりた よしかず)
医療総研株式会社
認定医業経営コンサルタント
1982年、埼玉県生まれ。
法政大学工学部卒業後、株式会社三菱化学
ビーシーエル(現LSI メディエンス)に入社。
現場営業から開発・企画業務まで携わる。
2015年、医療総研株式会社に入社し、
認定登録医業経営コンサルタントとして、
医療機関の経営改善や組織変革、
人事制度構築などの運営改善業務に従事。