コラム
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人口減少下の集患対策「機能分化・連携」+「可視化」を強化し、中小病院が「選ばれる」ための戦略~『令和8年診療報酬改定を踏まえたケアミックス病院の経営戦略のポイント』(5回シリーズ第4回)

日本の人口は減少の一途をたどり、特に地方圏の中小病院にとって、「いかに地域住民に選ばれ、安定した病床稼働率を維持するか」という集患対策が、経営の最重要課題となっています。

従来の「急性期から回復期まで何でも診る」というモデルは、医療資源の分散と効率の低下を招き、持続不可能になりつつあります。

こうした構造変化の中、令和8年度診療報酬改定は、「機能分化と地域連携の更なる推進」を大きな柱の一つとしています。

具体的には、電子処方箋の活用や、病院薬剤師と保険調剤薬局薬剤師の協働による医薬品の適正使用の推進など、医療資源の効率的な活用と、切れ目のない医療提供体制の構築が重視されています。

これは、中小病院が、高度急性期病院との競争ではなく、地域の診療所や介護施設との連携を深めることで、患者の流れを最適化し、自院の専門性を高める方向へと舵を切るべきことを示唆しています。


『中小病院が「選ばれる」ための3つの戦略』
病床数100~200床の病院が、人口減少下で勝ち残るためには、以下の戦略が重要と考えられます。

1 ポジショニングの明確化と特化
自院の強み(例:高齢者特有の多疾患併存に対応できる総合内科、専門性の高いリハビリテーション機能、在宅復帰支援体制など)を明確にし、地域で不足している、しかしニーズの高い専門分野に特化することで、他院に対する優位性を確保します。

2 地域連携の「質の向上」
単に紹介・逆紹介を行うだけでなく、地域医療連携パスの導入、合同カンファレンスの定期的開催、医療・介護情報共有システムの活用を通じて、診療所や介護施設との連携の質を向上させます。日本医師会「令和8年度診療報酬改定に関する要望書」によると、診療報酬上の評価を伴う「連携強化加算」のような新設が要望されており、連携の深度が今後の評価の鍵となります。

3 情報発信の強化
医療DXの推進と地域医療連携の深化は最優先事項として掲げられています。特に中小規模の急性期・地域包括ケア病棟を持つ病院にとって、自院の強みを「データ」と「ストーリー」で発信することは、単なる広報活動ではなく、経営戦略そのものとなっています。
地域住民や連携先の医療機関に対して、「専門特化型Webページの開設」や「症例数」の公開などにより、自院の特化した機能や、どのような患者を積極的に受け入れているかを明確に発信し、地域医療連携室による「デジタル広報誌」と「Web連携パス」を活用し、自院の最新の空床情報や専門外来情報を発信し、「○○分野、△△領域なら□□病院」というブランドを確立します。

自院の医療機能をデータで示し、デジタルとアナログ(顔の見える連携)を融合させた情報発信を戦略的に行う病院こそが、安定した患者数を確保し、経営の持続可能性を維持できると予測されます。


弊社は地域の競合病院の機能や、住民の医療ニーズを詳細に分析したポジショニング戦略の策定や、診療所・介護施設との連携強化に向けた具体的なICTを活用した連携プロセスの構築のような、地域連携を収益に繋げるための具体的な施策実行を支援します。

貴院の現状評価や戦略構築について専門的支援が必要な場合には、医療経営に精通したコンサルタントを活用することで、より早く確実に実行フェーズへ移行することができます。経営の方向性を整理したい、数値分析を客観的に行いたい、現場と議論しながら実行計画を具現化したいというニーズなどがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

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