2020.04.01

看護必要度、新基準での評価はいつからすべき?など

2020年度診療報酬改定の疑義解釈(その1)が、3月31日に公表されました。今回は88ページとなっており、結構なボリュームです。

今回はその疑義解釈の中からいくつか紹介したいと思います。


■看護必要度、新基準での評価はいつからすべき?

今回の診療報酬改定での1つの大きな目玉として、看護必要度が見直されました。

主な見直し項目としては、
①B14又はB15かつ、点・B3点の基準を削除
②A項目・C項目の見直し
③必要度割合の見直し(引上げ)
④評価方法の見直し
などが挙げられます。

今回の改定では、救急や手術などの件数が多い急性期らしい急性期病院は問題なくクリアできると思われますが、そうでない急性期病院には厳しい改定となっています。

そこで今回も、基本的には半年間(2019年9月30日まで)は必要度割合は基準を満たしていると見なす経過措置が設けられています。

では、いつから新基準での測定を行うべきか?

今回の疑義解釈では、新たな看護基準での測定は、経過措置が2020年9月30日までの入院料は、少なくとも2020年7月1日から、経過措置が2021年3月31日までの入院料は、少なくとも2021年1月1日から、新たな評価票に基づく評価を行う必要があることを示しています。

ただこれはあくまでも、もっとも遅くとも7月1日(もしくは1月1日)ということであり、入院料を維持していくのであれば早めの対応が必要といえます。


■夜間看護体制加算、ICTなどの活用による業務負担軽減とは?

夜間看護体制加算などを取得するために実施が必要な「夜間における看護業務の負担軽減に資する業務管理等に関する項目」として新たに追加されたもの中に、「ICT、AI、IoT等の活用によって、看護要員の業務負担軽減を行っていること」があります。

ではこの項目について、具体的にどのようなものを想定しているのか?厚労省の見解が示されました。

例として、看護記録の音声入力、AIを活用したリスクアセスメント、ウェアラブルセンサ等を用いたバイタルサインの自動入力等が例として挙げられています。

さらに単にナースコール、心電図又はSpO2 モニター、電子カルテ等を用いていること等は該当しないと明記されています。


■地ケア病棟のADL等説明の対象は全患者?

今回の改定では、地域包括ケア病棟入院料について大きな見直しが行われました。

その1つとして、地域包括ケア病棟入院料の施設基準に、「リハビリテーションの提供に当たっては、当該患者の入棟時に測定したADL等を参考にリハビリテーションの必要性を判断し、その結果について診療録に記載するとともに、患者又は、家族に説明すること」が追加されました。

これは「リハビリが可能な程度に状態が安定している患者に対し、必ずしも十分にリハビリ提供がなされていない可能性がある」ことが厚労省の調査で分かった点を踏まえて、見直された内容です。

通知では、その対象がリハビリを実施する患者だけなのか、それとも入棟する全患者対象なのかについて明記されています。

結論として、対象は全患者であり、リハビリの実施の有無にかかわらず、ADL等の評価を行い、診療録に記載及び患者又はその家族等に説明を行う必要があります。

ただこの患者などへの説明は医師に限らず、医師の指示を受けた理学療法士等が行ってもよいとされています。

入棟に向けたマニュアル等の見直しや整備などが必要な病院は早めのうちに準備しておくことが必要です。


上記はまだまだ疑義解釈通知のほんの一部になります。今後もこのような疑義解釈が大量に公表されていくと思われますので、継続的なチェックを心掛けていきましょう。


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◆筆者プロフィール
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森田仁計(もりた よしかず)

医療総研株式会社
認定医業経営コンサルタント
1982年、埼玉県生まれ。
法政大学工学部卒業後、株式会社三菱化学
ビーシーエル(現LSI メディエンス)に入社。
現場営業から開発・企画業務まで携わる。
2015年、医療総研株式会社に入社し、
認定登録医業経営コンサルタントとして、
医療機関の経営改善や組織変革、
人事制度構築などの運営改善業務に従事。